桜の葉が急に枯れてきた!
「桜の葉っぱが急に落ちてきた!」というご連絡をいただきました。そして「今は、ほとんど緑のところがなくて、黄色く枯れている」という。大阪市阿倍野区からの相談メールです。
見に行きました。
なるほど葉っぱがほとんどすべて黄色くいなって枯れています。(写真は、わかりにくくてすみません)
この桜は、大きな通りに面している場所に長年植わっています。毎年、桜の時期になると近隣の方や通りの方を楽しませる貴重な桜です。
その桜が急に黄色く枯れてしまう大異変が起きています。
おうちの方は、大切な桜なのでできるだけ残したい。でも、倒れるなど周囲に迷惑はかけたくないので、最悪切ってしまわなければならないのか?相談に乗ってほしいとのことでした。
大きなキノコ
桜の幹に近づきました。
貫禄のある立派な幹です。しかし、大きな溝ができています。その中にキノコを見つけました。大きなキノコです。
コフキタケです。もうだいぶんと深いところまで腐りが進んでいそうです。木槌で確認しましたがやはり幹の中に鎖が進んでいるようです。
そして、もう1つ重要なものを確認しました。
クビアカツヤカミキリの被害
もう1つの重要な確認は、この木屑です。
クビアカツヤカミキリは、桜や梅などの幹の中を食い荒らし、枯らしてしまう害虫でその被害の大きさから特定外来種に指定されて、法律で駆除の対象にされています。
この木屑は、クビアカツヤカミキリがこの桜を食い荒らした証拠をなります。
急に葉っぱが黄色くなり枯れたのは、このクビアカツヤカミキリの仕業です。
この桜は伐採することに
強力なキノコと害虫からの2つの攻撃を食らって大変な状況です。
おうちの方と話し合った結果、この桜を伐採することにしました。
クビアカツヤカミキリの被害木は治療が容易ではないとこもありますが、大幹に腐りが広がり、この桜が倒れてしまう危険があるからです。桜とは辛いお別れになりますが、伐採しましょう、ということになりました。
愛された危険木の伐採
何かの拍子で倒れて、人や物を傷つける可能性の高い木のことを危険木といいます。
この木は危険木に当たります。伐採をすることにしました。
伐採作業をしているときは、近所の方の桜を惜しむ声が何度も聞こえました。また通りの方も、その場に止まり「なぜ切ってしまうのか?」と理由を聞く人も何人かおられました。この桜が、近隣や通りの方にどれほど愛されていたか良く分かりました。
最後まで生きようとする桜
この写真は伐採のい時に切った枝の写真です。
右にクビアカツヤカミキリに開けられた穴があります。左は腐りが広がって弱くなっているのがわかります。
こんな、物も確認できました。
幹の中に多くの根がありました。
桜の幹が腐って、その腐りの中の栄養を取っていくために桜はそこの根を伸ばしているのです。桜はぼろぼろになりながら生きる道を探していました。
もう手を合わせるしかありませんでした。
樹木医 松井裕之
参考のホームページ👇
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