こんにちは、樹木医の松井裕之です。

今回は、当事務所(まつい樹木メンテナンス)へ寄せられた「松くい虫(マツ材線虫病)」の予防対策に関する診断と、当事務所が大切にしている作業方針についての報告です。

10年ほど前、ご依頼いただいた施主様は、「近所で松が枯れる被害が出ている。うちの代々大切にしてきた松にも、やっぱり幹に穴をあけて薬を入れる『樹幹注入』をした方がいいのだろうか……」と大変心配されていました。

結論からお伝えすると、現地での診断の結果、私は「安易に幹に穴をあける予防方法は進めません」とお伝えし、松に負担をかけずに守る別のアプローチをご提案・施工させていただきました。


樹木医が解説:松くい虫(マツ材線虫病)の予防で「樹幹注入」を勧めない2つのデメリット

一般的に広く行われている「樹幹注入」は、ドリルで幹に穴をあけて薬剤を入れるため、確かに松くい虫(マツノザイセンチュウ)に対して一定の予防効果はあります。しかし、樹木の専門家である樹木医の視点から見ると、そこには見過ごせない大きなリスクが隠されています。

デメリット1.穴から腐りが広がるリスク

幹に穴をあけるとたとえその穴をうまく養生しても、そこから腐朽(腐り)が進行するリスクが残ります。

デメリット2.水を吸い上げる力を破壊し、樹勢を弱める

何本も穴をあければあけるほど、松が水分や栄養を吸い上げる大切な通り道(導管)が物理的に破壊されます。松くい虫を予防するはずが、樹勢を弱め、敷いては枯れしてしまうリスクもあります。


今回の診断・樹勢回復作業のドキュメント

1.外観診断と樹勢(松の体力)チェック

まずは松の葉の色、新芽の伸び具合、幹の状態、そして周囲の土壌環境をじっくり観察・診断します。

💡 樹木医のチェックポイント 松自身が今どれくらい元気(樹勢)かを見極めます。その見極めをもとに予防ん方法を選択していきます。例えば、樹勢がひどく弱っている場合は予防作業自体を中止すこともあります。

2.「穴をあけない」持続可能な予防策のご提案

今回の松は、10年前に出会いました。その時は、元気が落ちている状態(樹勢衰退)でした。 しばらくは、樹勢回復作業をしながら、マツクイムシ対策は、松に負担をかけない方法を取っていました。

3.樹勢回復処置と松くい虫の予防

部分的に炭を中心とした土壌に入れ替える、樹勢回復作業を2年実施した後、樹勢が回復しました。その後は、マツクイムシの予防は「土壌潅注」という方法に切り替えました。

実施した「松くい虫」対策=「土壌潅注」

今回実施したのは、土壌潅注という方法です。

土に薬剤を注入することで根から薬剤を吸わせる方法です。

この方法は、幹を傷つけることはありません。

効果は、およそ1年続きますので、1年1回のルーティンで実施しています。


作業を終えて:大切な松を枯らさないために

「松くい虫が怖いから、とりあえず業者に言われるまま毎年穴をあけて薬を入れている」というお話をよく耳にします。しかし、それを繰り返された松の幹は中が傷み、樹勢が弱ってきたり、台風などでポッキリ折れやすくなってしまうこともあります。

もちろん、周囲の被害状況やどうしてもという緊急時には注入を選択せざるを得ない場面もありますが、当事務所では「できる限り木を傷つけない、松に優しい持続可能な予防」を第一に考えています。

「本当にこの松に穴をあける必要があるのか?」「穴をあけずに守る方法はないのか?」

お気軽に樹木医・松井までご相談ください。、

大切な松をお守りいたします。


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