クスノキが育たない原因と治療法!滋賀県彦根市の事例から樹木医が迫る
「植えてから何年も経つのに、なぜかうちの木が大きくならない……」 大切に育てている庭木やシンボルツリーが育たないと、何か育て方を間違えているのではないかと心配になりますよね。
実は、木が育たない本当の理由は、水や栄養の不足だけではありません。多くの場合、人間の目には見えない「土の中(根の環境)」に原因が隠れています。
この記事では、滋賀県彦根市でのクスノキの事例をもとに、樹木医の視点から「木が育たない原因」と「元気を取り戻すための具体的な治療法」を分かりやすく解説します。
原因さえ正しく特定できれば、再び新しい葉を広げ始めるケースは決して珍しくありません。大切な木を守るヒントとして、ぜひ参考にしてください。
クスノキの成長不良と治療法を樹木医が解説
はじめまして。京都・大阪を中心に活動している樹木医の松井裕之です。 「樹木医の樹木相談室」では、これまで多くの「育たない木」を診察し、元気を取り戻す治療を行ってきました。今回は、ご相談の多い「クスノキの成長不良とその治療法」について、原因の見極め方から実際の治療までを分かりやすく解説します。
強いはずのクスノキ。なぜ育たない?
クスノキは、神社の大木(巨樹)によく見られるように、本来は非常に寿命が長く、成長も旺盛な樹種です。病気や害虫にも比較的強いのが特徴です。
それにもかかわらず、「なかなか育たない」「年々弱っているように見える」という場合、クスノキ自体の寿命ではなく、「育つ環境(特に土壌環境)」に致命的な原因があることが多いです。
樹木医が解説!クスノキが成長不良を起こす3大原因
クスノキの元気がなくなるよくある主な原因は、地上の見た目よりも「根の環境」にあります。
1. 土壌の踏み固めによる「呼吸不足」
クスノキの根は、活発に活動をしています。人間と同じように酸素を吸って呼吸をしています。庭の工事や人の行き来で土がカチカチに踏み固められると、土の中の空気が不足し、根が窒息状態になって、枯れてしまいます。
2. 水はけ(排水性)・水もちの悪さ
粘土質の土壌で水が溜まりやすい場所では根腐れを起こしやすく、逆に砂利混じりで水が全く残らない場所では慢性的な水不足になります。クスノキは適度な湿り気を好むため、極端な環境では根を伸ばせません。
3. 植え付け時の不適切な深さ(深植え)
植栽時に本来の根元よりも深く土を被せてしまう「深植え」は、木にとって非常に危険です。地中深く植えると、酸素が少ないので1の原因と同じように根が枯れてしまいます。
クスノキの治療 滋賀県彦根市(事例紹介)
このクスノキが植えてからなかなか大きく育たないクスノキです。今回はこのクスノキを治療することになりました。

琵琶湖のほとりです。いい景色ですね。最初に行ったときに目に入ったのは、枝の伸張(枝の成長)が見られなかったことです。枝を伸ばすと水分の供給が受けれない状況であることがわかりました。土を調べると透水性が良すぎて保水性にに問題があることがわかりました。
また琵琶湖のほとりなので、強風が吹くことも確認しました。強風は木の中の水分を逃がしててしまいます。そのため、木が水分を利用しやすいようにしてやらなくてはいけません。
支柱の設置
最初に支柱を設置しました。いくら木が良くなっても琵琶湖の強風を受けて倒れてしまったら元も子もないからです。
土壌改良
次に土の改良です。土を良くして、この土の足りないことを改善します。

掘ってみると、空気の通る管とか地下で木を支える地下支柱が出てきました。いろいろな仕掛けが出てきて驚きです。しかし。排水性・通気性に欠ける土壌でした。
今回は、保水性(水持ち)を中心とした土壌改良をしました。

これがクスノキの根っこの先です。先が枯れています。生きている根の先も弱弱しいですね。木は根の先で水を吸っています。この根では水を吸えません。
土をしっかり良いものに改良して埋め戻しました。

琵琶湖の中にいてもわかるランドマークみたいなクスに!
木からのSOSサインを見逃さないでください
以下のような症状が見られたら、クスノキが限界を迎えているサインです。
- 春になっても新芽の伸びが数センチ程度しかない
- 葉の色が黄色っぽく、全体的に透けて見える(葉量が少ない)
- 上のほうの枝から枯れ込んできている
- いつもにはない異常
「うちのクスノキ、もしかして危ないかも……」と少しでも不安を感じたら、どうぞお気軽に「樹木医 松井裕之の樹木相談室」までご相談ください。大切な木を、一本一本丁寧に診察いたします。
樹木医のホームページ⇒http://www.matui-jyumokui.com/
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